石川県立図書館が2023年日本建築美術工芸協会において、第33回AACA賞を受賞しました。
日本建築工芸協会は建築家・美術家・工芸家・デザインナー達が連携協力し、芸術性豊かな 環境と景観の創造を目的として、わが国の文化向上に寄与する事を願い設立された団体です。AACA賞はこの理念と目的に合い、優れた文化的・芸術的景観を実現しまた復元させた個人・グループ・又は団体表彰する賞です。
石川県立図書館は金沢市小立野の旧金沢大学工学部跡地に移転建替する、石川県立図書館の計画です。敷地中央に本体建物を配置し、その周辺に広場や庭、回廊、駐車場、緑道を層状に、遊環構造的に計画することで、近隣の住宅街に配慮しつつ良好な図書館環境をつくることを意図しました。建物は地下1階地上4階建の構成で、中心部にはグレートホール(以下、GH)と呼ぶ吹き抜けの大閲覧空間をもちます。GHは円形劇場を思わせる段状の空間であり、書架と多様な閲覧席からなる各段は1階から3階までがスロープによって接続され、遊環構造の原則により集中と回遊を促すように構成されています。これに加えて、EV、ESC、小階段、ブリッジによるショートカット動線も同時に備え、本を散策する楽しみと目的の本へのアクセス性を両立させました。館内には伝統工芸品がGHやエントランス、窓際閲覧席など様々な場所に展示されており、館内をめぐることで石川県の文化に触れることができます。
この場をお借りして、ご協力いただきました関係者の皆様にお礼申し上げます。
【受賞作品概要】
作品名:石川県立図書館
建築主:石川県
総括:仙田満 石川県土木営繕課
建築:環境デザイン研究所
構造:金箱構造設計事務所
設備:建築設備設計研究所
家具・什器設計・監修:川上デザインルーム
照明:LIGHTING PLANNERS ASSOCIATES
サイン:廣村デザイン事務所
ランドスケープデザイン:マインドスケープ